大物俳優のアドリブとその落とし穴:とろサーモン久保田かずのぶの降板劇

Netflixドラマ『地面師たち』が7月の配信直後から大きな話題となり、多くの視聴者を魅了しました。特に、お笑いコンビ「マテンロウ」のアントニーが悪役として登場し、その見事な演技が視聴者の間で大きな反響を呼んでいます。しかし、この成功の陰で、別の人気芸人が大きなチャンスを逃してしまったというエピソードが注目を集めています。それが、とろサーモンの久保田かずのぶです。

この記事では、久保田がドラマから降板した経緯や、アドリブ演技の難しさ、そして俳優としてのプロ意識について掘り下げていきます。

目次

アントニーの好演:悪役としての新たな顔

まず、成功を収めたアントニーについて少し触れておきましょう。お笑い芸人として知られる彼ですが、ドラマ『地面師たち』では下っ端のチンピラ役を熱演。視聴者からは「悪役がハマっていた」「普段のキャラクターとは違う一面が見られた」といった声が上がり、まさに新たな一面を開花させました。彼自身もYouTubeで「どこに行っても『地面師!』って声をかけられる」と、その反響の大きさを明かしています。

この成功の背後には、彼のプロ意識があったことは間違いありません。脚本に忠実に、かつ役に入り込んだ演技が評価され、初めて本格的な演技に挑んだにもかかわらず、高く評価されています。アントニーの例は、芸人であっても、プロとして役を全うすることの重要性を物語っています。

久保田かずのぶ、チャンスを逃す

一方、アントニーと同じく大根仁監督から直々に指名を受けた久保田かずのぶ。しかし、彼はそのチャンスを自らの手で逃してしまいます。久保田は、新人刑事役の池田エライザと会話を交わすシーンで男性の役を演じる予定でしたが、セリフを覚えてこなかったと言われています。代わりに現場ではアドリブを繰り返し、監督から何度もNGを受けたそうです。再度の撮り直しでも久保田はアドリブを敢行し、結果的に降板を余儀なくされました。

アドリブ自体は一見、創造力の象徴とも思えます。しかし、ここで重要なのは、アドリブが効果的に機能するためには、事前に役柄や台本の細部を完璧に把握し、それに基づいて自由に表現できるスキルが必要だということです。特に大物俳優であれば、監督との信頼関係が構築されており、現場の空気や共演者の反応を瞬時に察知し、自然な流れを作り出すことができます。

例えば、最近話題となったのは、嵐の二宮和也さんのケースです。彼はYouTubeで「脚本の筋と場面だけを頭に入れて、セリフは現場の雰囲気に合わせて作り出す」と語っていました。しかし、二宮さんの場合は、これが監督や共演者との信頼関係に基づいたもの。現場で即興的に計算されたアドリブができる能力があってこそ成り立つ技です。

久保田の場合、準備不足が明らかであり、アドリブが効果を発揮する前提が整っていませんでした。それどころか、監督の指示に従わない姿勢が、結果的にプロ意識の欠如とみなされ、降板という形で表れてしまったのです。

アドリブ演技の難しさとプロ意識の重要性

アドリブ演技は、非常に高いスキルが求められる技法です。脚本や演出には、監督や脚本家の意図が細かく計算されており、それを尊重しつつも場面に応じた即興を行うには、深い洞察力や瞬時の判断力が必要です。

特に大物俳優がアドリブを許される理由は、その信頼関係にあります。脚本を破壊することなく、むしろ新たな深みを加えられることが期待されているからこそ、アドリブが活かされるのです。コメントにもあるように、「堺雅人さんは、セリフを神聖なものとしてアドリブはしない」と話しており、セリフをしっかりと守ることもまたプロの姿勢です。

久保田の場合、アドリブはむしろ場面を壊す結果となり、他の役者や監督に迷惑をかけてしまいました。セリフを覚えてこないというのは、演者としての基礎が欠けていると見なされ、現場での信頼を失う大きな要因となったのです。

久保田の降板をどう見るか

今回の久保田かずのぶの降板劇は、俳優としての基礎的なプロ意識の重要性を再認識させる出来事です。どれほど演技力があるとしても、現場でのルールや監督の指示を守らなければ、役者としての信頼を失うことになります。久保田にとっても、今回の失敗は大きな教訓となったでしょう。

一方で、アントニーの成功は、芸人としての枠を超えた新たな可能性を示しています。役者としてのキャリアを積む上で、彼のプロ意識と真摯な姿勢が功を奏した結果と言えるでしょう。

まとめ:役者としての基本を忘れずに

今回のエピソードは、アドリブがいかに高度なスキルであり、それを使う前提として役柄や台本への深い理解が必要であることを示しています。アドリブを成功させるには、単なる improvisation ではなく、緻密な準備と信頼関係が不可欠です。

久保田かずのぶは、まさにその部分でプロ意識が問われ、結果的に降板に至りました。これを機に、演者としての姿勢を見直すきっかけとなるでしょう。そして、アントニーのように、初めての挑戦であってもプロとしての基礎を守り、役に真摯に向き合うことが、成功への近道であることを示しています。

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