日本の国民皆保険制度を考える ~延命治療と医療費の課題~

みなさん、こんにちは。今日は、日本の誇る制度の一つである国民皆保険について、じっくりと考えてみたいと思います。最近、この制度に対して廃止論が出てきているんですよ。なぜそんな話が出てくるのか、そして本当に廃止すべきなのか、一緒に考えていきましょう。

目次

1. 国民皆保険制度の現状と課題

まず、国民皆保険制度ってどんな制度なのか、おさらいしておきましょう。この制度は、日本に住むすべての人が、生まれた瞬間から医療保険に加入するというものです。病気やケガをしたときに備えて、みんなでお金を出し合う仕組みですね。

でも、なぜ今この制度に廃止論が出てきているんでしょうか?その背景には、日本の少子高齢化があります。昔は現役世代9人で高齢者1人を支えていたのに、2025年には2人で1人を支える形になるんです。つまり、若い世代の負担がどんどん重くなっているんですね。

国民負担率(税金と社会保険料の合計が国民所得に占める割合)も、もう5割に近づいています。働いて得たお金の半分近くが、税金や保険料で持っていかれるってことですよ。これじゃあ若い人たちが「損してる!」って思っても不思議じゃありませんよね。

2. 延命治療をめぐる議論

さて、国民皆保険制度の問題点として、よく議論になるのが延命治療です。延命治療って、もう治る見込みがない患者さんの命を少しでも長らえさせるための治療のことです。

実は、多くの人が延命治療を望んでいないんです。ある調査によると、9割の人が「自然に任せてほしい」と答えているんですよ。でも、実際には多くの場合、延命治療が行われています。なぜでしょうか?

その理由の一つに、現在の保険制度があります。延命治療にかかる費用のほとんどが保険でカバーされるため、患者さんやご家族は「とりあえずやってみよう」と考えがちなんです。でも、これって本当に患者さんのためになっているんでしょうか?

ある医師の方が匿名でブログに書いていた内容が話題になりました。その方は、「延命治療で寝たきりの患者を量産している」と批判的に書いていたんです。確かに、延命治療によって寝たきりになってしまう患者さんも少なくありません。

3. 日本の医療制度の特徴と問題点

日本の医療制度の特徴として、病床数の多さが挙げられます。国際的に見ても、日本の病院のベッド数はとても多いんです。これって一見いいことのように思えますが、実は問題も引き起こしています。

というのも、病院としては、ベッドを埋めなければ経営が成り立ちません。そのため、本当は入院の必要がない患者さんまで長期入院させてしまうことがあるんです。これが医療費を押し上げる一因になっているんですね。

また、日本の医療制度では混合診療が基本的に認められていません。混合診療というのは、保険診療と自由診療(保険がきかない診療)を組み合わせることです。例えば、フランスでは混合診療が可能で、基本は保険でカバーされるけど、もっといい治療を受けたい人は追加で自己負担するというようなことができるんです。

でも日本では、基本的にそれができません。そのため、新しい高度な医療技術の導入が遅れがちだったり、医療の質の向上が進みにくかったりする面があるんです。

4. 医療費の国際比較

「日本の医療費は高すぎる!」なんて声をよく聞きますが、実は国際的に見ると、そんなに高くないんです。むしろ、OECD(経済協力開発機構)の平均よりも低いくらいなんですよ。

じゃあ、なぜ日本の医療費が問題になるんでしょうか?それは、医療費のほとんどが保険診療でカバーされているからなんです。アメリカなんかだと、医療費全体に占める自由診療の割合が高いんです。つまり、高額な治療を受ける人は、それなりに自己負担しているわけですね。

でも日本の場合、ほとんどが保険診療。だから、国や保険者(健康保険組合など)の負担が大きくなるんです。これが、国民皆保険制度の財政を圧迫する原因の一つになっています。

5. 生活保護受給者の医療費問題

実は、医療費の問題で見落とされがちなのが、生活保護受給者の医療費です。生活保護を受けている人の医療費は全額公費負担、つまり税金で賄われています。これ自体は福祉の観点から重要なことなんですが、問題もあるんです。

というのも、生活保護受給者の場合、医療費の自己負担がゼロなんです。これって一見いいことのように思えますが、実は弊害も引き起こしています。例えば、必要以上に病院に行ったり、薬をもらったりする人が出てくるんです。

中には、もらった薬を闇市場で売るような悪質なケースもあるそうです。これは医療費の無駄遣いであり、制度の悪用ですよね。だからといって、生活保護受給者の医療を制限するのは人道的に問題があります。でも、何らかの対策は必要かもしれません。例えば、わずかでも自己負担を設けることで、不必要な受診を減らせる可能性があります。

6. 後期高齢者の医療費負担

高齢者の医療費も大きな課題です。特に75歳以上の後期高齢者の医療費負担が注目されています。現在、後期高齢者の医療費の自己負担割合は、原則1割となっています。

でも、これって本当に適切なんでしょうか?確かに、高齢者の多くは年金生活で収入が少ないです。だから、医療費の負担を軽くする必要があるんです。でも一方で、資産を持っている高齢者も少なくありません。

そこで、「後期高齢者の医療費負担を上げるべきだ」という意見も出ています。例えば、資産がある程度ある人は負担割合を上げる、といった具合です。でも、これには反対意見もあります。「年をとって病気がちになったときに、せっかく貯めた資産を使い果たしてしまうのは辛い」という声もあるんです。

この問題、簡単には答えが出せません。でも、世代間の公平性や、制度の持続可能性を考えると、何らかの見直しは必要かもしれませんね。

7. 医療関係者の労働環境改善の必要性

ここまで、患者さんや制度の側面から医療の問題を見てきました。でも、忘れてはいけないのが医療を提供する側、つまり医療関係者の視点です。

実は、日本の医療費が国際的に見て高くない理由の一つに、医療関係者の人件費の低さがあるんです。医師や看護師さんたちの給料が、労働時間の割に低いんです。

長時間労働も大きな問題です。特に救急医療や産婦人科などでは、医師が過酷な勤務を強いられていることがよくあります。これでは、良質な医療を持続的に提供するのは難しいですよね。

医療の質を上げ、持続可能な医療制度を作るためには、医療関係者の労働環境を改善することが不可欠です。給与の見直しや労働時間の適正化など、取り組むべき課題は山積みです。

8. まとめ:国民皆保険制度の今後

さて、ここまで国民皆保険制度を取り巻くさまざまな問題を見てきました。確かに課題は山積みです。でも、だからといってこの制度を完全に廃止すべきかというと、そうとも言えません。

国民皆保険制度には、誰もが安心して医療を受けられるという大きなメリットがあります。病気やケガをしたときに、お金の心配をせずに病院に行けるのは、実はすごく恵まれていることなんです。

ただ、このままでは制度が立ち行かなくなる可能性もあります。だからこそ、私たち一人一人が医療のあり方について考え、議論していく必要があるんです。

延命治療のあり方、医療費の自己負担割合、混合診療の是非など、考えるべき点はたくさんあります。簡単に答えは出せませんが、みんなで知恵を絞って、より良い制度を作っていく必要があります。

医療は私たちの命と健康に関わる大切な問題です。ぜひ、この記事を読んで、皆さんも一緒に考えてみてください。そして、周りの人とも話し合ってみてください。きっと、新しい気づきがあるはずです。

国民皆保険制度の未来は、私たち一人一人の手にかかっているんです。より良い医療、より公平な制度を目指して、一緒に考え、行動していきましょう!

  • URLをコピーしました!
目次