『海のはじまり』 各エピソードのあらすじ・ネタバレ

第１話　『ママが大好きだった人』…親と子の愛の物語。　

「ねえ、今日の夜、時間ある？」
東京の印刷会社で働く月岡夏（つきおか なつ）は、彼女の百瀬弥生（ももせ やよい）と久しぶりにデートの予定を立てようとしていた。だが、突然の電話がその計画を壊す。大学時代の恋人、南雲水季（なぐも みずき）の訃報だった。懐かしくも、どこか遠い記憶がよみがえる。彼女の名前を聞いた瞬間、胸の奥が強く締め付けられた。

葬儀場へと向かう途中、夏の頭には過去の思い出がぐるぐると渦巻いていた。「あの頃、俺たちは……」。しかし、そんな過去の反芻を打ち消すかのように、葬儀場で夏を待ち受けていたのは、さらに衝撃的な現実だった。

水季には、娘がいた。
「6歳で、名前は『海（うみ）』です」
夏はその言葉を聞いて、頭の中が真っ白になった。

過去との再会
大学時代、夏と水季が初めて出会ったのは、新入生歓迎コンパだった。楽しい時間を過ごし、二人はすぐに付き合い始めた。毎日が新しい発見と喜びで満たされていた。だが、幸せな日々は突然終わりを告げる。

ある日、水季は夏に一枚の書類を手渡した。「中絶同意書」――それは、彼女がひとりで抱え込んでいた苦悩の証だった。夏はその瞬間、言葉を失い、ただ彼女の決断を受け入れるしかなかった。

「俺に、何もできなかったのか？」
夏はその後も何度も自問したが、水季は大学を辞め、彼の前から姿を消した。理由は「他に好きな人ができた」というものだったが、実際には、彼女は夏に迷惑をかけたくなくて一人で子供を育てる決意をしていたのだ。

現在に戻る――真実を知る夏
葬儀が終わった後、夏は水季の母・朱音（あかね）と話す機会を得る。彼女は、冷静に語りかけるようにこう言った。

「海ちゃんは、あなたの娘です」
その言葉は、夏にとってあまりにも重く、現実を受け止めるのに時間がかかった。「父親としての責任を押し付けるつもりはない。でも、少しでもこの7年間、水季がどんな人生を送ってきたのか、想像してみてほしいの」そう告げられた夏は、ただ頷くことしかできなかった。

心の中は混乱と葛藤でいっぱいだった。突然知らされた自分の娘――6年間も知らなかった存在――をどう受け止めるべきなのか、夏にはまだわからなかった。

海との再会
数日後、夏が家でぼんやりと過ごしていると、突然インターホンが鳴った。ドアを開けると、そこには海が立っていた。彼女は無邪気な笑顔で言った。

「夏くん、ママと一緒にここに来たことがあるの」
その言葉に驚きつつも、夏は海を家に招き入れた。海と一緒に見たのは、昔の動画。画面の中で、水季が楽しそうに叫んでいる。「海、大好きだよー！」――それはまさに、夏と水季が海辺で過ごした、かけがえのない瞬間だった。

「夏くん、海のパパなんでしょ？」
突然の問いかけに、夏は言葉を失った。「パパは、いつ始まるの？」と無邪気に尋ねる海。その無垢な瞳に、夏はどう答えればいいのか、分からなかった。

新しい「はじまり」
こうして、夏の新しい人生が始まろうとしていた。過去の恋人との別れ、そして知らされなかった命の存在。それらすべてを受け入れ、新たな一歩を踏み出す時がやってきた。果たして、彼は父親としての自分を見つけることができるのか……。

第２話　あふれ出す…ふたをしていた想い。

「パパになってくれるのはいつ？」――突然の問いかけに、夏は言葉を失ってしまった。

亡くなった恋人・水季が残した娘、海が突然やってきて、夏に父親としての役割を問いかけてきたのだ。だが、彼女が亡くなった葬儀の場で初めて自分に娘がいると知った夏には、答えることができるはずもない。

そんな夏の前に、海の祖母・朱音が現れる。「海が会いたがってるわよ」と微笑む朱音。しかし、どう対応していいのか分からない夏は、彼女に頼る形で海を預けてしまう。心の中には、罪悪感と戸惑いが渦巻いていた。

「考えなきゃ……父親として、ちゃんと」

その夜、夏は恋人の弥生に打ち明ける。「海が、俺の子供だったんだ……」。驚きを隠せない弥生。しかし彼女もまた、過去に妊娠し中絶した経験を持っていた。それを知る夏の告白は、彼女の心を静かにえぐっていく。

翌日、夏は喫茶店で朱音と向かい合っていた。朱音は相変わらず微笑みを浮かべながら言う。「海は、会いたがってるわよ」。夏はその言葉に困惑し、「どうして俺に会いたがるんだ……」とつぶやく。それに対して、朱音は軽くため息をつき、静かに「なんでですかね？」と返す。

その問いには答えがない。夏は、まだ父親としての覚悟ができていないのだ。

一方、弥生もまた悩んでいた。過去の中絶の経験が、彼女の心に重くのしかかっている。そして彼女は、夏に伝える。「もしあなたが父親になるなら、私が母親になることも考えてほしいの……」

それは、彼女の過去の後悔を埋めるための決意でもあった。しかし、簡単に出せる答えではない。海の母親になるということは、自分の傷とも向き合わなければならないからだ。

夏は思い出す。水季がまだ生きていた頃、彼女が海に「自分で選ぶ力」を持たせようとしたことを。彼女は一人で海を育てることを決意したが、その背後には、病気と限られた命という現実があったのだろう。

「海には、自分で選ばせてあげて」

それが、水季が夏に遺した唯一のメッセージだった。そして、夏はその言葉を胸に、海に会う決意を固める。朱音の家を訪れた夏は、ついに海と向き合う時が来た。

「パパ！」

家に帰ってきた海が、夏の姿を見て駆け寄り、強く抱きつく。夏は、まだ戸惑いを隠せないまま、父親としての一歩を踏み出したのだった。

以下は、先ほどチェックした記事をライトノベル風に書き直したものです。

第３話「海のはじまり」

夏（目黒蓮）は、亡くなった恋人・水季（古川琴音）が自分との間に娘を残していたことを知り、その事実にどう向き合えばよいか戸惑っていた。娘の海（泉谷星奈）は、「パパはいつ始まるの？」と無邪気に問いかけるが、夏にはその言葉にどう答えればよいのか分からなかった。父親としての役割を果たす準備が整っていない夏は、心の中で不安と混乱が渦巻いていた。

朱音との夕食

ある日、夏は再び祖母の朱音（大竹しのぶ）の家を訪れる。海は、夏が来てくれたことに大喜びし、はしゃぎすぎて疲れ果てて眠ってしまった。朱音は「海が起きたときに、きっと喜ぶわ」と優しく言い、夏に夕食を一緒に食べていくよう勧める。夕食の準備をしながら、朱音は水季との思い出を語り始めた。

「どうして水季は一人で出産を決めたんですか？」と夏が尋ねると、朱音はしばらく考え込み、「詳しいことは分からないけど、彼女はあなたの選択肢を奪いたくなかったと言っていたわ」と答えた。

津野との再会

後日、夏は弥生（有村架純）と一緒に、海の希望で水季が働いていた図書館を訪れることになる。図書館で偶然、津野（池松壮亮）と再会する。津野は当初、冷たい態度を取っていたが、次第に自分の感情が整理できていないことを認め、「ごめん、怒っているわけじゃないんだけど……感情がぐちゃぐちゃでさ」と謝罪する。夏はその言葉を受け入れ、二人の間にあったわだかまりが少しずつ解けていった。

朱音と弥生のすれ違い

一方、弥生と朱音の間には複雑な感情が流れていた。弥生が「今日は楽しかったです」と笑顔で朱音に伝えたところ、朱音は冷たく「子どもを産んだことがないでしょう？」と言い放つ。そして、「水季がいないことが悔しい」と感情を爆発させた。弥生はその言葉に一瞬、言葉を失ったが、笑顔を崩さずに「本当に楽しかったです。ありがとうございました」と返した。

海の涙

その後、夏は海がいつも元気なふりをしていることに気づく。ある日、夏は意を決して「どうしていつも元気なふりをしてるの？」と海に問いかける。すると、海の瞳には大粒の涙が浮かび、「だって、悲しい顔をしたら……みんな、いなくなっちゃうかもしれないから」とポツリとつぶやいた。

その言葉に、夏は胸が締め付けられる思いで海を抱きしめる。弥生はハンカチを差し出して慰めようとしたが、海は夏の腕の中で泣き続けた。

家族の意味

夜になり、夏は海に、自分が父・和哉（林泰文）や弟・大和（木戸大聖）と血が繋がっていないことを打ち明けた。「でも、血が繋がってなくても、家族なんだよ」と話すと、海は少し考えてから「家族って、血のつながりだけじゃないんだね」と静かに理解を示す。

その言葉を聞いた夏は、これからもっと海と一緒に過ごしていこうと決意するのだった。

海の願い

数日後、夏は海を連れて、水季との思い出の場所を訪れた。「パパを始めてほしい？」と夏が尋ねると、海は「パパはやらなくていい。でも……いなくならないで」と懇願する。

夏はその言葉に深く心を打たれ、「水季の代わりにはなれないけど、僕は君のそばにいるよ」とそっと海に約束をした。

第４話