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映画レビュー『エイリアン ロムルス』

「エイリアン ロムルス」は、シリーズ1作目と2作目の間のエピソードとして位置づけられた作品であり、シリーズファンにとって待望の新作です。今回は、CGを排して実物の特殊効果を多く用いた演出が特徴的で、エイリアンの恐怖感を徹底的に引き出しています。本作の魅力や見どころについて詳しくレビューしていきます。

目次

ストーリーと設定の概要

「エイリアン ロムルス」は、エイリアンシリーズの1作目と2作目の間を描いた作品であり、リドリー・スコットが製作に回り、フェデ・アルバレス監督による新しい視点で描かれています。CGを極力使わず、実物のエイリアンの質感や恐怖感を追求した点が注目ポイントです。エイリアンシリーズの特有の緊張感や、逃げ場のない絶望感が再び蘇ります。

本作では、赤を基調としたライティングが多く使われ、従来の青や緑を主体としたエイリアンシリーズとは一線を画す独特のビジュアルスタイルも見どころです。

見どころとキャラクター描写

今作では、アンドロイドの描写が特に印象的です。序盤では優しい性格のアンドロイドが、システムの入れ替えによって冷酷な存在に変わっていくという、緻密なキャラクター設定が物語を深めています。人間とアンドロイドの関係性、特にアンドロイドが主人公たちを裏切るシーンでは、観客に強烈なインパクトを与えました。

また、赤を基調としたビジュアル表現がこれまでの作品には見られなかった新鮮さを加え、ポスターのデザインや、物語全体の雰囲気にも大きく貢献しています。

アクションシーンの魅力

「エイリアン ロムルス」後半のアクションシーンは圧巻です。無重力空間で繰り広げられるエイリアンとの戦いは、シリーズに新しい刺激を加えました。重力をオン・オフする装置を使ったシーンや、アンドロイドとの対決シーンは、視覚的に新しいアイデアを取り入れたアクションが楽しめます。

また、エイリアンの酸性の体液を利用した逃走劇など、シリーズの伝統的な要素も取り入れながら、新しいアプローチを試みている点が評価できます。

総評

「エイリアン ロムルス」は、エイリアンシリーズの伝統を踏襲しつつも、現代的な新しい視点を取り入れた作品です。アンドロイドの描写や、重力を活かしたアクションシーンはシリーズに新たな命を吹き込んでおり、特にCGを排したリアルなエイリアンの表現は見応えがあります。

しかし、登場人物の数が少ないために恐怖感や緊張感がやや希薄に感じられる部分もあり、もう少しスリルのある展開が欲しかった点は否めません。それでも、エイリアンシリーズの魅力を再発見できる作品として、多くの映画ファンに楽しんでもらえる内容です。

評価:★★★☆☆

「エイリアン ロムルス」は、シリーズファンやアクション・ホラー映画が好きな方にはおすすめできる映画です。物語の展開はエンターテインメントとして楽しめる一方で、驚きや新鮮さがやや欠ける部分もあり、もう少し工夫が欲しかったという印象です。ただし、アンドロイドの描写や重力を駆使した斬新なアクションシーンは必見で、エイリアンシリーズのファンなら一度は観ておきたい作品でしょう。

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