【思考停止から抜け出すために】「思考停止という病」をわかりやすく解説

「気づけばいつも同じミスをしてしまう」「もっと自分の頭で考えられるようになりたい」――こんな悩みを抱えたことはありませんか?日々の生活で、私たちは決められた枠の中でルーチンをこなし、自分自身で深く考える機会が減りがちです。しかし、思考を停止させてしまうと、本来持つ可能性を最大限に活かすことが難しくなります。

この記事では、苫米地英人さんの『思考停止という病』をもとに、「思考停止」から抜け出すための具体的な方法を詳しく解説します。自分の頭で考える力を取り戻し、日常生活や仕事をより良くするためのヒントをぜひ見つけてください。

参照書籍
タイトル 思考停止という病
苫米地英人(著)

目次

なぜ私たちは「思考停止」に陥りやすいのか?

思考停止とは?

まず、「思考停止」とは何でしょうか?苫米地さんは、思考には「物理的な脳の活動」と「創造的な問題解決活動」の2つがあると説明しています。

  • 物理的な脳の活動は、脳が情報を処理しているすべての状態を指します。眠っているときやぼんやりしているときでも、脳は情報を処理し続けています。
  • 創造的な問題解決活動は、私たちが普段「考える」と呼ぶ行為です。問題に対して解決策を見つけたり、新しいアイデアを生み出したりする活動のことです。

「思考停止」とは、創造的な問題解決活動が停止している状態です。目の前の問題について考えず、ただ目に見える選択肢に従うだけになっている状態といえます。では、なぜ私たちはこの「思考停止」に陥ってしまうのでしょうか?

日本人が「思考停止」に陥る3つの理由

苫米地さんは、日本人が「思考停止」に陥りやすい理由を以下の3つにまとめています。

1. 学校教育と会社の仕組み

日本の教育は、知識を暗記することに重きを置いています。学校では、「どれだけ正確に覚えたか」で成績が決まることが多いため、私たちは「正しい答えを見つけること」にばかり注力し、自分で考えて判断する訓練をほとんど受けていません。

授業中は先生が教えることをそのまま覚えることが求められ、疑問を持つことや自分なりの意見を出す機会がほとんどありません。その結果、ほとんどの学生は、与えられた知識を受け入れることに慣れてしまい、自ら創造的に考える力が育たないまま社会に出てしまうのです。

社会人になっても、この状況はあまり変わりません。特に新入社員は、上司の指示に従い、決められた仕事をこなすことを期待されます。「自分で考える」ことは、時には「生意気」と受け取られたり、失敗を避けるために奨励されなかったりします。このような環境では、次第に「指示待ち人間」になってしまい、自ら考えることがなくなってしまいます。

2. 知識不足

次に挙げられるのは「知識不足」です。人間の脳は、知っていることしか認識できません。つまり、知識が不足していると、新しい情報を理解したり、深く考えることが難しくなります。

例えば、経済ニュースを見たときに経済の基本知識がなければ、その内容を正しく理解することは難しいです。その結果、断片的な情報だけを受け入れ、それ以上深く考えることができなくなります。集団的自衛権やTPPといった複雑な社会問題に対しても、断片的な知識に頼るだけで、自分で深く考えようとしないことがよくあります。

3. 明確なゴールがない

「ゴールがない」ことも、思考停止の大きな原因です。ゴールとは、「本気で達成したい」と思う目標です。このゴールがあることで、人は自然にその目標に向かって何をすべきかを考え始めます。しかし、ゴールがない人は、目の前の仕事をただこなすだけで、「何のためにこれをしているのか」という意識が薄れがちです。

例えば、営業成績を上げたいと思ったとき、明確なゴールがある人は、積極的に改善方法を考え、行動します。一方で、ゴールがない人は「今のままで良い」と現状に甘んじてしまい、自分で考えることを放棄してしまいます。

思考停止から抜け出すための3つの技術

では、どうすれば「思考停止」を打破し、自分の頭で考えることができるのでしょうか?苫米地さんが提案する3つの方法を紹介します。

1. 現状を疑い、常識を見直す

最初にすべきことは、「現状を疑う」ことです。私たちが普段当然のように受け入れている「常識」は、本当に正しいのでしょうか?これを一度立ち止まって考え直すことが、自分の頭で考えるための第一歩です。

例えば、「安定した仕事に就くことが成功」という価値観は、多くの人が持っていますが、全員にとっての最適な選択ではないかもしれません。転職や独立といった選択肢もあり、それらがむしろ自分に合っている場合もあります。現状を疑い、変化を恐れずに新しい道を模索することが、自分で考える力を育てる大切なプロセスです。

2. 明確なゴールを設定する

次に必要なのは「明確なゴールを設定する」ことです。ゴールとは、自分が本当に達成したい目標です。このゴールがあることで、目標に向けて何をすべきかを具体的に考え、行動できるようになります。

ここで重要なのは、ゴールが現状の延長線上にあるものではなく、今の自分では達成できそうにない「大きな目標」であることです。現状の外にゴールを設定することで、自分の居心地の良い環境(コンフォートゾーン)から抜け出し、新しい挑戦に向かう意欲が生まれます。

例えば、年収200万円の人が「年収1000万円を達成する」というゴールを持つことで、自分の環境を抜け出し、新たな行動を促す動機が生まれます。このように大きな目標を設定することで、今まで見えなかったチャンスや学ぶべき情報が自然と目に入ってくるようになります。

3. 圧倒的な知識を身につける

最後に、「圧倒的な知識を身につける」ことが必要です。知識がなければ、考えるための材料が不足します。自分の頭で考えるためには、基礎となる知識が必要です。苫米地さんは、知識を得る最良の方法として「読書」を強く推奨しています。

本を読むことで、過去の成功や失敗に学び、さまざまな視点を取り入れることができます。それによって、新たな問題に対する理解が深まり、次に進むためのヒントが得られます。知識が増えれば、直面する問題についても自分で考え、適切な解決策を見つける力が養われます。

例えば、ビジネスで成功したいと考えるなら、経済学、マーケティング、リーダ

ーシップに関する本を読むことで、多くの有益な情報を得られます。それらの知識が自分の考えを支え、新たな問題解決を導く手助けとなるのです。

おわりに

思考停止を打破し、自分の頭で考える力を取り戻すには、現状を疑い、自分のゴールを設定し、知識を増やすことが非常に重要です。この3つのステップを実践することで、私たちはただ言われたことをこなすだけの存在から脱し、能動的に人生を切り開けるようになります。

変化が激しい現代を生き抜くには、自分の頭で考え、変化に適応する力が不可欠です。自分で考える力を持つことで、どんな状況に直面しても柔軟に対応し、自分にとって最適な選択をできるようになります。この考える力こそが、これからの時代における成功のカギなのです。

この記事が、自分で考えるための一歩を踏み出すきっかけとなれば嬉しいです。日々少しずつでも考える訓練を続けていけば、将来周囲との差が広がり、自分の成長を実感できるはずです。今日から一緒に、自分の頭で考える習慣を身につけていきましょう。

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