インターネットの世界では、今や誰でも簡単に情報を発信できる時代になりました。しかし、自由に情報を発信できる一方で、その内容が社会的に受け入れられない場合、大きな批判を浴びることも少なくありません。今回は、最近SNSで話題になったナンパ師YouTuber「ゆってぃ」の騒動を取り上げます。彼の迷惑行為がネットで炎上し、ついにはYouTubeチャンネルが凍結されるという結果に至りました。この問題の背景、法的リスク、そして彼が犯した過ちについて、深掘りしていきます。
何が問題だったのか?ゆってぃの迷惑ナンパ行為
「ゆってぃ」というYouTuberの名前を聞いたことがある人も多いかもしれません。彼は、主に大阪や東京で女性に声をかけるナンパ動画を撮影し、YouTubeに投稿していました。しかし、そのナンパの手法があまりにも不適切で、不快感を抱かせるものばかりでした。
特に問題となったのは、彼が街中で女性に対して「今夜だけ抱かせてほしい」といったセクシャルハラスメントに近い発言を繰り返していた点です。彼の動画では、女性が拒否しても食い下がり、しつこく話しかけ続ける姿が頻繁に見られました。
動画拡散からの炎上、そしてYouTubeチャンネルの凍結
2024年9月下旬、X(旧Twitter)で彼の動画が拡散され、瞬く間に批判の声が広がりました。「気持ち悪い」「女性に対して失礼すぎる」といったコメントが相次ぎ、彼の行為に対する非難が沸き起こりました。特に問題視されたのは、彼の行為が公共の場で行われていたことです。大阪駅や池袋といった多くの人が利用する場所で、こうした迷惑行為が行われていたことに対し、ネットユーザーからの反発が大きかったのです。
この拡散により、彼のYouTubeチャンネルは9月末に凍結されました。さらに、新しくチャンネルを開設しようとした痕跡も確認されていますが、それもすぐに削除された模様です。結果的に、彼はネット上での主要な活動の場を失い、収入源も断たれたと考えられます。
法的リスク:ゆってぃの行為は犯罪になるのか?
では、ゆってぃ氏の行為は法的にどういったリスクを伴うのでしょうか?彼の行動は、少なくとも迷惑防止条例や軽犯罪法に抵触する可能性があります。
1. 迷惑防止条例
大阪府や東京都には迷惑防止条例があり、しつこく声をかけたり、つきまとう行為は禁止されています。こうした条例に違反すると、最大で1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科される可能性があります。ゆってぃ氏の行動は、条例違反に該当する恐れが高く、今後警察が捜査に乗り出す可能性もあります。
2. 軽犯罪法
軽犯罪法第1条28号では、他人につきまとい、不安や迷惑を与える行為を禁止しています。公共の場で女性に対してしつこく声をかけ続けた彼の行動は、この法律にも違反する可能性があります。特に、拒否された後も何度も声をかけ続ける行為は、迷惑行為として立派な犯罪となり得ます。
3. 肖像権侵害
さらに問題視されているのが、動画内に映っている女性たちにモザイク処理が施されていなかったことです。これにより、彼は肖像権の侵害で訴えられる可能性があります。公共の場であっても、無断で他人の顔を撮影し、インターネット上に公開することは、肖像権の侵害に当たります。
ゆってぃは「ナンパ術」を商材として販売していた
もう一つ注目すべき点は、ゆってぃ氏が「ナンパ術」を情報商材として販売していたことです。彼は、自身のYouTubeチャンネルでナンパの様子を公開し、その宣伝として「ナンパ完全攻略ノート」などを1万8000円という高額で販売していました。さらに、ナンパ講習の依頼を受け付けていたことも確認されています。
YouTubeでの活動が収入源の一つであった彼にとって、チャンネル凍結は大きな打撃となったでしょう。YouTubeは彼にとって、商材の宣伝プラットフォームであり、チャンネルの削除によってこの収益モデルは完全に崩壊しました。
ネット上での反応:彼は本当に反省しているのか?
ゆってぃ氏は、動画が拡散され批判が高まる中で、当初は強気の態度を見せていました。彼はSNSで「何が悪いんだ」「ただのエンタメ動画だ」といった発言を繰り返し、自分の行為に対する反省の色が見えない様子でした。さらに、動画を拡散したユーザーに対しては、「民事で訴える」という脅迫メッセージを送るなど、攻撃的な態度を取っていました。
しかし、YouTubeチャンネルが凍結され、ネット上での炎上が収まらない中で、彼は次第に態度を変え始めます。最終的には、「皆様ご迷惑をおかけしました」と謝罪するようなメッセージを投稿しましたが、これも本当に反省しているのかどうかは疑問です。
ネット上の多くのユーザーは、彼の謝罪を「反省したふり」に過ぎないと受け止めています。彼の一連の行動を見る限り、今後も同様の行為を繰り返す可能性が指摘されています。
まとめ:ゆってぃの行為が与えた影響と今後の展望
今回の騒動で明らかになったのは、ゆってぃ氏のナンパ行為が単なる「エンターテイメント」ではなく、多くの女性に対して不快感や恐怖を与える「迷惑行為」であるという事実です。彼が自分の行動に対する反省を見せたかどうかはさておき、ネット上での批判は依然として強く、法的な処分が下される可能性も高まっています。
ゆってぃ氏のケースは、他のYouTuberやインフルエンサーにとっても重要な教訓となるでしょう。インターネット上での活動が自由である反面、他者への配慮や法律を守ることが求められます。今後、彼が再び活動を再開するのか、それともこのまま姿を消すのか、注目されるところです。
最後に
インターネットを通じて自由に発信できる時代だからこそ、私たち一人ひとりが責任を持って行動することが重要です。もしも今回の騒動が法的な処分に至る場合、それは社会全体として、こうした迷惑行為に対する厳しい態度を示すことになるでしょう。