このストーリーは、実際のドラマとは少し異なる部分もありますが、全体の流れはほぼ同じです。ドラマの世界観や雰囲気をもっと深く味わいたい方は、ぜひ動画をご覧になってみてくださいね。
第1話「おかしな弁護士ウ・ヨンウ」
ウ・ヨンウ――彼女は一見、普通の弁護士とは少し違う。韓国初の自閉スペクトラム症を持つ弁護士として、まっすぐな目で法廷に立つ彼女は、他の人にはない特別な力を持っていた。それは、驚異的な記憶力。彼女は一度読んだ法律や本の内容をすべて暗記してしまうのだ。
ウ・ヨンウが5歳の時、言葉を発しないことを心配した父親、ウ・グァンホは彼女を病院に連れて行った。そして、彼女が自閉スペクトラム症であると診断される。でも、それはウ・ヨンウにとっては単なる特徴の一つに過ぎなかった。彼女は自分の世界を深く愛し、特に法律には特別な興味を持っていた。
そんなヨンウも今や大人。ソウル大学の法科大学院を首席で卒業し、韓国有数の法律事務所「ハンバダ」に就職した。法の世界に飛び込む彼女の背中を押したのは、父親の温かな支えだった。彼が営む小さな海苔巻き屋「ウ・ヨンウ海苔巻き」は、ヨンウにとっても大好きな場所で、毎朝、海苔巻きを食べるのが彼女のルーティンだ。海苔巻きは、材料が一目で分かるから、彼女にとっては安心できる食べ物だった。
初出勤と最初の事件
ヨンウの初出勤の日。彼女は満員電車の中でもヘッドホンをつけ、鯨の歌声を聴いていた。鯨が大好きな彼女にとって、鯨の声は心を落ち着かせる特別な音だった。
ハンバダに到着すると、彼女の上司であるチョン・ミョンソクが待っていた。しかし、彼は少し心配そうだ。自閉スペクトラム症の弁護士が法廷でうまくやっていけるのか、社会性や対話力が必要なこの仕事に向いているのか、不安を抱いていたのだ。それでも、ヨンウの驚異的な記憶力や優れた頭脳を評価し、最初の事件を任せてみることにする。
その事件とは――彼女の幼少期に関わりのあったアパートの大家、パク・ギュシクとその妻チェ・ヨンナンに関わるものだった。夫ギュシクは、妻ヨンナンが宅配業者と親しげに話したことに腹を立て、激しく彼女を侮辱する。怒ったヨンナンは、近くにあったアイロンを手に取り、ギュシクを殴ってしまった。その結果、ギュシクは脳出血で入院。妻ヨンナンは「殺人未遂罪」で起訴されることになる。
法廷での挑戦
ヨンウが立てた戦略はこうだ。彼女はヨンナンが夫を殺すつもりはなかったことを証明し、「殺人罪」ではなく「傷害罪」で執行猶予を狙う。実際、ギュシクは事件の前から頭痛を訴えており、脳出血がアイロンによるものではなく、病気が原因であった可能性が高かった。ヨンウはこの事実を見逃さず、主治医の証言を引き出すことで事件を展開させていく。
法廷では、ヨンウは自分が自閉スペクトラム症であることを堂々と語り、ぎこちない言動をすることもあるが、法を守り、依頼人を全力で守る姿勢は他の弁護士と変わらないと誓った。そして、その通りに彼女は冷静かつ的確に証言をまとめ、ついに「殺人罪は無罪、傷害罪で執行猶予付き」という勝利を勝ち取る。
仲間との絆
事件を通じて、上司のチョン・ミョンソクもまたヨンウを見る目が変わり始める。初めは心配していた彼も、ヨンウの能力を目の当たりにし、彼女の実力を認めるようになる。そして事務員のイ・ジュノもまた、ヨンウの理解者として彼女をサポートしていく。ジュノは、回転扉に苦戦するヨンウに優しくアドバイスをしながら、彼女と少しずつ距離を縮めていく。
成長の一歩
こうして、ウ・ヨンウは最初の事件を見事に解決し、弁護士としての一歩を踏み出した。自分のペースで、周囲のサポートを受けながら、彼女はこれからも法廷でその才能を発揮していくことになる。彼女の成長とともに、周囲の人々もまた、彼女に対する理解を深め、彼女を支えていくのだろう。
ヨンウの未来――それは、きっとこれからも輝かしいものになるはずだ。